■秋の花

【彼岸花】
 秋の彼岸頃に咲くのでこの名前になっています。田舎道の脇に群生していたりしますが,町中でも空き地や家庭の庭等に見かけます。根のところにはリコリンという毒がありますが、この毒は水で何回もさらせばとれるので昔の人はこの根の部分からデンプンをとって飢饉の際の食料としたそうです。
  彼岸花はまっすぐな茎の上に花だけをつけます。葉は花が散った後にゆっくり生まれ出ます。韓国名はロマンチックで、サンシチヨと呼び「想思華」と書きます。1本の茎を共有しながら花と葉は決して出会うことはない。花は葉を想い、葉は花を思い焦がれているから「想思華」というわけです。
彼岸花が野や里に朱を散らすと、爽やかな風とともにしのびやかに秋がやってきます。

 

【萩】
 「萩」の字は「秋」の「草(草かんむり)」なのでまさに秋の花ですが、早いものは夏前から咲き出しています。しかし見頃はやはり9月頃で、山上憶良が秋の七種の冒頭にあげた名花です。日本各地の山野でごくふつうに見られ、萩といえば山萩(やまはぎ)を指します。萩の名前の由来は、古い株から新芽がたくさん萌え出る「生え芽」(ハエキ)が転じたものといわれます。花は仲秋のころ散りこぼれ、葉は三枚の同形の丸い小葉からなり、それが枝にそって美しくならびます。

 

【コスモス】
 近年、休耕田などでコスモスを栽培することが流行っており、秋を満喫させてくれます。四方が開けた広い場所で、コスモスの美しさは発揮できます。原産地メキシコで、外来品種ですが、日本の風景に自然にとけこんでいて今ではすっかり秋の花として定着しています。”コスモス(cosmos)”の語源は、ギリシャ語の「秩序」「飾り」「美しい」という意味の「Kosmos」の言葉に由来しています。このことから、星がきれいにそろう宇宙のことを、cosmosと呼ぶようになりました。

 

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