梅雨が明けると本格的にセミの季節がやってきます。あなたの近所ではどんなセミが見つかりますか?
セミの鳴き声は種類によって大きく違い、種類を判別する有効な手がかりとなります。鳴く時間も種類によって異なり、クマゼミは午前中、アブラゼミやツクツクボウシは午後、ヒグラシは朝夕、ニイニイゼミは1日中などです。夏の昆虫とはいえ真昼の暑い時間帯に鳴くセミは少なく、朝か夕方のほうが居場所が分かりやすくなっています。
代表的なセミについては次の通りです。
■ミンミンゼミは7月中旬頃から9月中旬まで聞くことができます。
鳴き声は「ミーンミンミンミンミーーー、・・・」(最初の「ミ」にアクセントがあり、 おしまいの「ーーー」で音量を落とす。音量はかなり大きく、関東でセミの鳴き声は?と聞くとたいていこの泣き声を答えるでしょう。
■アブラゼミは、日本の夏を代表するセミの1種。市街地の公園、森林どちらでも見かけられます。「油ものを揚げている音」ということでアブラゼミといわれています。音量はかなり大きくうるさく、1ヶ所で何度も鳴き続けますが、鳴き終わると数秒後に他の木に移る、鳴き移りをすることもあります。昼下がりの暑い時間にも鳴いて、夕刻まで断続的に鳴き続けます。
■クマゼミは9月上旬まで聞くことができ、関西以西ではごく普通にいる大型のセミです。近年大阪市内では非常に多くなっていますが関東地方が北限で東京ではクマゼミの鳴き声を聞くのはまれです。午前中7時ごろからなき始め、11時には泣き止み午後はほとんど鳴きません。一本の木に群がるようにとまっているので捕まえやすいです。
アブラゼミとクマゼミしか出現しない地域は、緑の少ない市街地に集中しています。
■ヒグラシは、クマゼミとは対照的な分布域をもっています。市街地ではほとんど見つからず、広葉樹やスギの薄暗い林内など自然が豊かな所に生息します。鳴き方自身は単純ですが、やや物悲しく清涼感を与えるきわめて美しい声が特徴です。。近くで聞くとやや濁りのある「ゲ」に 近い「ケ」で「ケケケケケケケケ!」、ちょっと離れて聞くと「カナカナカナカナ!」、さらに遠くから合唱を聞くと、まるで数多くの鈴を打ち振るように軽やかに「シャンシャンシャンシャン」。
■ツクツクボウシは、やや深い山地から市街地周辺にかけて主に分布します。世界的に見ても最も複雑で音楽的な鳴き方をする小型〜中型 のセミで、泣き声は起承転結のはっきりしたリズミカルなものです。基本的には、ジーーという序奏/前奏に続いて、オーシンツクツク、オーシンツクツクを14、5回ほど繰り返し、ジーーーという後奏で終わります。
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