豪壮かつ華麗な祇園祭は、千百年の伝統を有する八坂神社の祭礼で大阪の天神祭・東京の神田祭とともに、日本三大祭のひとつに上げられています。
古くは、祇園御霊会(ごりょうえ)と呼ばれ、貞観11年(869)に京の都をはじめ日本各地に疫病が流行したとき、「これは祇園牛頭天王の祟りである」として、平安京の広大な庭園であった神泉苑に、当時の国の数−66ヶ国にちなんで66本の鉾を立て、祇園の神を祭り、さらに神輿をも送って、災厄の除去を祈ったことにはじまります。
祇園祭は、7月1日の「吉符入り」にはじまり、31日の境内摂社「疫神社夏越祓」で幕を閉じるまで、1ヶ月にわたって各種の神事・行事がくり広げられます。
祭のハイライトは17日に行われる32基の山鉾巡行。これらの山鉾のうち29基は重要無形民族文化財に指定されています。巡行は午前9時、四条烏丸から長刀鉾(なぎなたぼこ)を先頭に河原町通を経て御池通へ向います。 途中、「注連縄(しめなわ)切り」「くじ改め」や豪快な辻廻しなどで見せ場を作り、豪華絢爛な一大ページェントが繰り広げられます。
また、祇園囃子といわれているのが鉾の上で囃される、いわゆる「コンチキチン」のことで、鉦・太鼓・笛の三つの楽器がつかわれています。囃子の曲目は、各鉾それぞれ 30曲近くあり、鉾により一部共通のものがありますが、その多くは、各鉾独特の囃子になっています。
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