お盆が近づいてくると、亡くなられた人がなつかしく思い出されるものです。毎年7月13日から16日までの4日間行いますが、最近では一ヵ月おくれの8月13日から、というところが多くなっています。
「盂蘭盆会(うらぼんえ)」というのがお盆のくわしい呼び名です。この盂蘭盆とは梵語(ぼんご=古代インドの言語)のウルランバーナからきています。ウルランバーナとは「倒懸解(とうけんかい)」といって「逆さづりの苦しみをも救う」という意味です。
お釈迦さまの弟子の目蓮尊者(もくれんそんじゃ)が、亡くなったお母さんが思いもよらない餓鬼道におちて、供養のご飯も食べられずに苦しんでいるのを知りました。そこでお釈迦さまにどうすれば救われるのか尋ねました。
するとお釈迦さまは「7月15日にたくさんのお坊さんや仏の道を求める人たちに、百味(ひゃくみ)の飯食(ぼんじき)で手厚く供養するとよい」とお教えになりました。そのとおりにすると、目蓮尊者のお母さんは苦しみから救われました。
そしてこのいわれが、ご先祖さまのあの世の苦しみをお救いする供養のおまつりとなったのです。それはまた、ご先祖さまのご恩に報いる感謝の心でもあり、心ゆかしい行事でもあります。
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