■お彼岸 〜 極楽浄土の彼(か)の岸へ〜

 暑さ寒さも彼岸まで‥‥の言葉のように、お彼岸はちょうど春分、秋分の季節に行われます。気候は暑からず寒からず、昼と夜の時間は同じ、これらは仏さまの教えである「中道(ちゅうどう)を守れ、何事も極端をさけること」に通じます。

 彼岸とは、迷いの世界である此(こ)の岸から悟りの世界である彼(か)の岸へ到るという到彼岸(とうひがん)から名づけられた行事で、彼岸会(ひがんえ)といわれます。お釈迦さまは自分も他の人もともに幸福になる到彼岸として6つの教えを示されました。

●布施(ふせ)=物質であっても心であっても、人に喜びを分け与えること。

●持戒(じかい)=規律を守り、節制ある生活を行うこと。

●精進(しょうじん)=目的に向かってたゆまず努力すること。

●禅定(ぜんじょう)=常に平静な心を持ち続けること。

●忍辱(にんにく)=心を動かさずに耐えしのぶこと。

●智恵(ちえ)=人生の真実を見きわめ、迷いを去って無上(真に悟る)の境地にいたること。

 お彼岸は中日(春分・秋分の日)を中にはさんで前後3日間です。この1週間は仏さま、ご先祖さまへの報恩感謝のお寺まいり、お墓まいりを行います。そしてまた、自分自身がお釈迦さまのお教えにかなっているか、もう一度ふりかえってみる機会でもあるのです。


戻る