●本来は神様へのお供え物
おせちはかつて「お節供(せちく)」といい、節句のときに神様に供えた物をさす言葉でしたが、節句のなかでも重要なお正月の料理にその名前が残ったもの。伝統的には五段重ねで、中身のお料理それぞれにも、一年の健康と幸福を願ったいわれがあります。
○黒豆・・・・まめに暮らせるように。
○田作り・・・豊作を願って。
また、品数は5品、7品など奇数で詰めます。
●無病息災を願って一献
ルーツは中国にあり、大晦日に薬草酒を飲む風習が日本に伝わりました。この薬草が、「屠蘇散」という漢方薬で、薬局で手に入ります。この屠蘇散をみりんかお酒に注いだものがお屠蘇。元旦の朝、年神様に祈り、新年のあいさつを済ませたあと、東の方向を拝んでから飲むのがしきたりです。男性は左手で、女性は右手で酒器のつるを持ち、若い人から年長者の順に飲むのがしきたりです。
●ふるさとではどんな味?
もともとは、神様と人がいっしょに食べるものだという意味がありました。各地で神様へのお供えにした、その土地、その土地の産物を料理したものなので、お雑煮のスタイルは地域によって実にさまざま。東京は焼いたもちと小松菜のすまし汁。京都は丸もちに白味噌。鳥取ではぜんざいのようなお雑煮。高松ではあんこ入りのもちに白味噌・・・・というように、バリエーションが豊富です。お正月のお雑煮は、新年の朝一番にくんだ水“若水”と、新年の新しい火で煮るしきたりがあります。
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