●仏教と仏教系の諸教団
日本の仏教は、インドから中国、朝鮮半島を経て伝来した。仏教の公伝は、538年(一説に552年)といわれるが、それ以前にも、民間では、帰化人などにより伝えられていた。やがて、中国・朝鮮半島の仏教がもたらされて宗派が形成された。例えば、南都仏教は、渡来僧や遣唐使などによって伝えられたものであり、天台宗と真言宗は唐より最澄と空海が伝えて開創したものである。
鎌倉時代初期までは日本の仏教は8宗あると考えられていた。すなわち、三論、成実(じょうじつ)、倶舎(くしゃ)、法相(ほつそう)、華厳(けごん)、律(りつ)の南都六宗と天台宗、真言宗である。しかし、鎌倉時代には定着した仏教文化を背景に、求道の歩みの中から、法然の浄土宗、親鸞の浄土真宗、日蓮の日蓮宗など日本人自身による独自の仏教が創唱された。また、この時代には入宋(にっそう)した栄西と道元により、臨済宗と曹洞宗が伝えられた。
戦後、宗教団体法以前、公認された仏教宗派には、13宗56派があった。この場合、13宗とは、法相宗・華厳宗・律宗・天台宗・真言宗・融通念仏宗・浄土宗・臨済宗・浄土真宗・曹洞宗・日蓮宗・時宗・黄檗宗(おうばくしゅう)(成立順)である。昭和14年、宗教団体法が成立したとき、これらの宗派は、28宗派にまとめられた。13宗56派と28宗派の関係は、下表のとおりである。
戦後、宗教法人令が成立し、国の認可制度がなくなると、多数の仏教教団が分派・独立し、多くの宗派が新設された。その後、昭和26年の宗教法人法成立を機に、多少、解散したものもあるが、文部大臣所轄包括宗教法人としては平成8年末現在、157の仏教宗派が存在している。
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日本仏教の主な宗派について |
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