梅はバラ科サクラ属の一種で、学名はPrunus
mume。梅の花言葉は、「高潔な心、澄んだ心」。落葉高木で10mくらいまで大きくなります。開花は2〜3月、 花は5枚の花弁を有し、白、紅、淡紅などの色の種類があります。6月くらいに実が黄色くなりはじめその酸味の強い果肉を使って梅干や梅酒などに使われています。
花を見るために育成・選抜されてきた品種を「花梅」、果実を食用とするための品種を「実梅」といいます。
「梅にウグイス」といえば古典的な日本の風景の典型という印象がありますが、実は中国から渡ってきた「異国趣味」だったのです。奈良時代、唐の文化に憧れていた日本の貴族たちはその美意識に影響を受け、「雪に白梅」や「梅とウグイス」という絵柄もそのままに受け入れたのです。梅に鶯(うぐいす)は取り合わせのよいことを表す言葉で、春を告げる花と鳥。2月の凛とした空気に暖かさを予想させます。花札の場合は鮮やかな紅梅とウグイスですが、絵画などで描かれる場合は、白梅が多いようです。
また梅は日本の早春を代表する花として、古くから多くの歌人に詠まれています。万葉集では約120首が揃い(桜は約50首のみ)一位の萩(約140首)に次ぐ人気でした。
「東風(こち)吹かば にほいおこせよ 梅の花 あるじなしとて 咲くな忘れそ」
大宰府(福岡県)へ流される折に、梅を愛した菅原道真が、詠んだ歌です。
菅原道真を祭る天満宮(天神さん)には、梅がつきものです。京都の北野天満宮では2月上旬から3月中旬までは梅苑が公開され、道真公の命日2月25日に梅花祭が行われます。約2万坪の境内に門内・梅苑合わせて50種約2,000本の梅があり、京都きっての梅の名所です。
また、日本三大庭園の一つ水戸偕楽園も古くから梅の名所として知られています。園内には、100品種約3000本の梅が植えられ、かぐわしい早春を告げてくれます。昭和9年には園内にある全ての品種が調査・研究され、その中でも花の形・香り・色などが特に優れているもの6品種が選ばれ、「水戸の六名木」とされました。偕楽園の梅祭りは、毎年2月20日〜3月31日まで開催されています。
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